マンジャロ

【最新研究】マンジャロ・オゼンピックで減量した人は肥満関連疾患リスクが最大69%低下|欧州肥満学会で報告

マンジャロやオゼンピックなどのGLP-1受容体作動薬で体重を減らした人は、変形性関節症や慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群といった肥満関連疾患のリスクが大幅に低下することが、約9万人規模の大規模研究で明らかになりました。

2026年5月にトルコで開催された第33回欧州肥満学会(ECO 2026)で、イギリス・リバプール大学などの研究チームがこの研究結果を報告しています(出典:GIGAZINE、ScienceDaily、ScienceAlert)。

約9万人のデータを分析した大規模研究の概要

この研究では、2021年1月から2024年6月の期間に、オゼンピックやマンジャロなどのGLP-1受容体作動薬を服用したアメリカ在住の合計89,718人の健康記録が分析されました。

被験者の治療開始時点における平均年齢は57.5歳、平均BMIは34.7で、約61%が2型糖尿病を患っていたと報告されています。

注目すべきは、全患者の半数近くが1年以内にGLP-1受容体作動薬の服用を中止していたにもかかわらず、これらの患者も含めて分析が行われた点です。実際の臨床現場に即した、いわゆる「リアルワールドデータ」に基づく研究であることが、この結果の信頼性を高めています。

BMI低下15%以上で疾患リスクが大幅に減少

1年間のBMI変化を追跡した結果、患者の反応は以下のように分かれました。

BMIが15%以上低下した患者:15.8%

BMIが10〜15%低下した患者:14.1%

BMIが5〜10%低下した患者:22.4%

BMIが0〜5%未満の低下にとどまった患者:27%

治療期間中にむしろ体重が増加した患者:20.8%

さらにその後11カ月間にわたり健康状態を追跡した結果、BMIが15%以上低下した患者群では、BMI低下が0〜5%未満にとどまった患者群と比べて以下のリスク低下が確認されました。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスク:69%低下

変形性関節症のリスク:37%低下

心不全のリスク:32%低下

慢性腎臓病のリスク:30%低下

このうち心不全以外の3項目は統計的に有意な水準に達しており、GLP-1受容体作動薬による減量が単なる体重減少にとどまらず、全身の健康改善に寄与する可能性を示す結果です。

一方で、体重が増加した患者は疾患リスクも上昇

同研究では、治療期間中にむしろ体重が増加してしまった被験者についても分析が行われています。BMI低下が0〜5%未満の患者と比較して、体重増加群では心不全リスクが69%、閉塞性睡眠時無呼吸症候群リスクが22%、慢性腎臓病リスクが14%、変形性関節症リスクが10%それぞれ高いという結果が報告されています。

この結果は、GLP-1受容体作動薬を服用しても体重減少に至らなかった場合には、服用していない状態と比べて臨床転帰が悪化する可能性があることを示唆しています。

マンジャロとオゼンピックの作用機序の違い

なお、今回の研究で対象となったGLP-1受容体作動薬には、作用機序の異なる複数の薬剤が含まれています。

オゼンピック(セマグルチド)はGLP-1受容体のみを活性化するのに対し、マンジャロ(チルゼパチド)はGLP-1受容体に加えてGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体も同時に活性化する「デュアルアゴニスト」です。いずれの薬剤も食欲を抑制するとともに、インスリン分泌を促進して血糖値を下げる効果があります。

GLP-1ナビ編集部の見解

今回の研究結果は、GLP-1受容体作動薬による減量が「見た目の変化」だけでなく、心臓・腎臓・関節・呼吸器系といった全身の健康リスクの低減に直結していることを、約9万人という大規模なリアルワールドデータで裏付けたものです。

特に注目すべきは、睡眠時無呼吸症候群のリスクが69%低下したという数値です。睡眠の質は日中のパフォーマンスや精神的な健康に大きく影響するため、GLP-1受容体作動薬による減量が生活の質(QOL)全体を底上げする可能性があると言えます。

一方で、約2割の患者が治療中にもかかわらず体重が増加しているという点も見過ごせません。GLP-1受容体作動薬は万能薬ではなく、食事・運動といった生活習慣の改善と組み合わせてこそ最大の効果を発揮するものです。また、患者の半数が1年以内に服用を中止しているという事実は、治療継続のためのサポート体制の重要性を改めて示しています。

GLP-1ナビでは、こうしたエビデンスに基づく最新情報を引き続きお届けし、GLP-1受容体作動薬による治療を検討されている方が正しい情報のもとで判断できるよう、発信を続けてまいります。

出典・参考文献

GIGAZINE(2026年5月29日)「マンジャロやオゼンピックなどの減量薬で体重を減らした人は肥満関連の疾患のリスクが低下すると判明」

ScienceDaily(2026年5月18日)”People who lost the most weight on Ozempic saw huge health benefits”

ScienceAlert “Weight Loss on GLP-1 Drugs Linked to Lower Risk of Disease, Study Finds”

第33回欧州肥満学会(ECO 2026)発表研究(リバプール大学ほか)

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GLP-1ナビ編集部
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